真生流は昭和2年、流祖・山根翠堂によって創流されました。従来の型にはまったいけばなを廃し、「自由花こそが本当のいけばなであると同時に芸術だ」と論じ、いけばな芸術論を展開しました。華道史上では、いわゆる自由花運動の先駆者として位置づけられています。
戦前は阪神の西宮市に建てた真生みどり会館を根拠地として、幅広く活躍しました。戦後、奈良・春日神苑に隣接した土地に家元道場・翠山荘を造り、線の美しさを生かした明快優美な作風を確立しました。そして何よりも花を通して精神を高め、豊かな心から生まれるいけばなを理想としました。